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森を真似しよう

2012年より熊本県荒尾市で開園した農園。クルンノウエン。
自然生態系模倣型農業を軸にお野菜の有機的栽培、農業体験農園の運営、インターンや研修生の受け入れも行っています。
◆自然生態系模倣型農業という取り組み◆
森の中では人間が植物に肥料をあげたり農薬をまいたりはしていません。でも森の木々や草花は季節ごとに健やかな姿を私たちに見せてくれます。何故そのようなことが持続されているのか。
森の中を歩くとわかります。実は森の中では土を見ることはあまりありません。多くの場合、土の表面は落ち葉や枝、枯れた木々や、命を終えた動物や虫のむくろ。そういった「命だったもの」が折り重なっています。そしてそれらは土へと還ります。
では誰が土に還しているのでしょう?
答えは「微生物」。目に見えない小さな様々な命が落ち葉や枝「命だったもの」を食べ土に還していきます。それを私たちは「分解」と呼びます。そしてその分解の過程では様々な栄養素が生まれ、木々や草花は根からそれらを吸い上げ、太陽のエネルギーを使い光合成を行い健やかに育ちます。
「分解」によって生まれる栄養素。それらが植物や人間にとって有用なものであるとき私たちはそれを「発酵」と呼び、有害であれば「腐敗」と呼んでいます。
森の多くは「発酵」型の世界。そして人間もまた「発酵」型の世界の住人です。
ですからクルンノウエンでは自然界で延々と続いてきた「発酵」型優勢の循環の世界を畑に再現します。野菜たちも森の木々や草花と同じ植物なのです。
自然を観察し、そこにある生態系の循環を理解し畑に再現(模倣)する農業。自然生態系模倣型農業をクルンノウエンは実践しています。
そうすると驚くほど野菜たちは健やかに美味しく育つのです。

◆「共通言語」があるとしたら?◆

近年の気候変動、高温、水不足、大雨。そういった事をきっかけに、お野菜の栽培や自然、環境のこと、いのちの循環のこと、食べ物のこと。気になっていませんか?
なんとなく大切だとは思うけど、理解できているような、できていないような…。
大切だと分かっているのに、自分の中では曖昧なまま。
そう感じたことはありませんか?
そして、作る側である生産者の皆さんも、実は同じようなことを感じているのではないでしょうか。
食べる側と作る側が、お互いに「大切なことだ」とは感じつつも、その核心は曖昧なまま、はっきりしないまま来てしまっている。
「美味しい野菜と美味しくない野菜。」
「土に触れていると何かいいな…」
「なぜ、森には誰も肥料をあげないのに、あんなに木々は豊かに育つんだろう?」
「育てている野菜に虫が来てしまうのは何故?」
「そもそも「良い土」って、一体何?」
実はこの、もやもやとした霧を晴らす鍵は私たちの足元にあるのです。また、これらの思いや疑問の答えはすべて繋がっています。
そして、その答えこそが、作る人、消費する人が知っておくべき「共通言語」なんです。

 ◆全ての人にとっての「共通言語」◆

その共通言語とは、「そもそも、自然界はどのような仕組みで動いているのか?」という、全てのいきものの原点となるルールのことです。
自然界には「ゴミ」という概念がありません。落ち葉や枯れ木は、目に見えない無数の微生物によって分解され、次の世代のいのちを育む栄養に変わっていきます。完璧な循環(リサイクル)が、そこでは当たり前に行われています。
この自然界のルール、つまり「いのちの循環」という共通言語が分かると、私たちの目の前の状況は劇的に変わります。
これまで「やっかいもの」だと思っていた雑草や落ち葉が、実は土を豊かにしてくれる「宝物」に見えてくる。
土の中の微生物が元気になることで、野菜は病気に強くなり、栄養価も高く、驚くほど美味しくなる。
高価な肥料や農薬に頼らなくても、身の回りにあるものを活かすだけで、もっと健やかで美味しい野菜が育てられる。この「共通言語」は、そんな持続可能な豊かさへの近道と言えます。

◆「のら部」の役割:すべての人のための「共通言語」◆

クルンノウエンが主催する「のら部」と「オンラインのら部」が目指しているのは、まさにこの「共通言語」を、誰もが楽しく、分かりやすく学べる場所になることです。
クルンノウエンは、自然の仕組みの「通訳者」。専門用語をできるだけ使わず、この普遍的なルールを皆さんと一緒に学んでいきます。
この「共通言語」は、私たち一人一人の日常を豊かにするだけでなく、同時に2つの大切な役割を果たします。

一つは、「産業としての農業」と「営みとしての農」という、立場の違う分断されがちだった農の担い手同士を繋ぐこと。この共通の土台があれば、日本の農業は2つの車輪で、もっとバランスよく前に進めるはずです。

そしてもう一つは、「生産者」と「消費者」という、これまで別々だった両者が、同じテーマを考えるための架け橋となること。食べる人も、作る人も、誰もが食と農の「当事者」として未来を考える。そのための「共通言語」です。

家庭菜園を楽しむ方も、プロの農家の方も、ただ美味しい野菜が食べたい方も。
全ての人がこの「共通言語」を少しでも身につけること。
大げさかもしれませんがそれが、私たちの食卓を、そして日本の農業の未来を、もっと楽しく豊かにしていくと信じています。



profile

クルンノウエンで園主をしている茅畑(かやはた)です。と言っても常時運営しているのは実質私一人だけ(笑) 実は子供のアレルギーをきっかけに農業を始めましたが、事前研修も勉強も自己資金もゼロで始めてしまいました。今思うとゾッとします。良い子はマネしないでね。15年前だから何とかなっただけ。
因みに前職では日本画作家をしていました。
最初はいやいや始めた農業で、すぐ辞めたいと思っていたんですが運よく今の栽培法に触れる機会を頂き、微生物と有機物が織り成す自然界の循環のシステムに好奇心を刺激され、面白すぎて夢中になって走りはじめました。
兎に角観察して、栽培の中で実験してを繰り返す日々。気づくとかなりいい感じに栽培ができるようになっていました。
で、ただ一人で栽培していると寂しくて死んでしまうので開園当初から農業体験「のら部」を開設して運営しています。13年間色んな方がかまってくれるので楽しいです。
最近ではオンラインの講座のリクエストも増えて来たので「オンラインのら部」もスタートしています。
そして農園を運営しているうちに今の有機農業の周りで起きている様々な課題が気になって眠れなくなり、気づけば特定非営利活動法人 熊本県有機農業研究会で常任理事として就農営農支援、有機農業技術啓発、消費者啓発を担当させていただいています。
色んなことに首を突っ込んで、もう、農業ではなくなってきていますが、関わっている全てがとても大切で、楽しいのです。

自然界ではいのちが互いを「活かし(生かし)」て「生かし(活かし)」あう仕組みが完全フルオートで作用しています。私たち人間もそんな廻りの一部。その事をこどもから大人までみんなが実感できれば世の中いい感じになるんじゃないか。日々そう思って畑に出ています。

農業体験農園 「のら部」

クルンノウエンが実践している自然生態系模倣型農業、周辺で手に入る廃棄予定の有機物(未活用有機物)を土の中の微生物ちゃんたちのごはんとして入れてあげて発酵分解を促すと、環境の再生と美味しいお野菜の栽培が両立できます。そんな栽培の事や環境の事、微生物の事、循環型経済の事、種の事、ほんと色んな事を畑と座学で分かりやすく誰でも学べる農業体験。

前期3~8月 後期9月~翌年2月、毎年2月と8月に説明会をしています。詳しくはインスタでご覧あれ~!

オンラインのら部

のら部に入りたいけど、遠かったり、お仕事が忙しかったり、そんな方向けに座学のみのオンライン講座を開設しています。

4~8月 9~1月 の2回開講です。講座は動画でアーカイブしますのでリアル参加を逃しても大丈夫。後日ゆっくり復習できます(期限付き)

アクセス

住所

〒864-0015 熊本県荒尾市平山49

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